喜劇役者のスマイル

草にあき水にあきしが秋惜しむ 10月も中旬を過ぎると、全国の稲刈りも終わりを告げる。10月は通常 晴天の日が多いとしたものだが、今年の秋は秋雨前線が停滞し北の寒 気団が吹き込み、例年になくうすら寒い日々が続く。  冬の訪れが苦手になってきた私とすれば、過行く秋が、虚ろな喜劇役 者のスマイルの様に感じてしまう…
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青き船旅

阪神の遠井吾郎は夏の雲  暦の上では初秋とはいえ、東シナ海をてらす太陽は衰えを知らない。 平戸港より十数キロ、小一時間の的山大島へのフェリーの旅をした。 フェリーの入り口は1か所しかなく、バックでの車の進入となった。  離島へのフェリーは排水量が小さいので、始発や最終便の予約はす ぐに満杯になってしまうが、これは仕…
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八月の早稲田

こころざし問われ少年黙す夏  夏の高校野球佐賀県大会で、早稲田佐賀高校が優勝し、代表校に決 まった。レギュラー選手県内出身の部員は、一人という。ほとんどが県 外出身者である。それでも唐津の地に学ぶ者として、全国大会において 戦うことを誓い合ったという。  数日で夏の甲子園大会である。そんな唐津の地に収穫前の早稲田が…
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海紅豆の花 

国を出て傷を負ひしが海紅豆  海紅豆(かいこうず)は別名アメリカ梯梧(でいご)というらしいが、 真言宗の寺に咲いていた。この花は派手なようでいて、内に秘めた ような落ち着いた側面もあり、見飽きない花である。   海紅豆の花 海紅豆の花
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惜春のエイリアンズ

惜春の情も剰して初夏の街  以前ジャズやクラシックばかり聞いていた身としては、YouTubeで Jポップの佳曲を探すのは初老の秘かな楽しみでもある。  キリンジのエイリアンズは、そんな曲である。最初一聴したときには、 少し気は引いたが足を止めることはなかった。しかし「公団の屋根の 上 」という歌詞がいつまでも耳に残った…
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逝く春の落暉

落日のふと寒木瓜の朱を点ず  加藤楸邨  松浦市福島町土谷の棚田へ夕景を眺めに訪れた。細くて薄い雲が 水平線のすぐ上に靡いている。30分程の日没の変化は、短編映画 を見ているようだ。水平線の裏側には、着実に初夏が隠れている。 逝く春の落暉
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歯ブラシがない

歯ブラシがないふらここ垂れている故郷  長年愛用しているサンスターラーク歯ブラシが近くのドラッグストアに置 かれなくなった。あちこち捜したが見つからない。サンスターラーク歯ブラ シは、ライオンビトウィーンのかための1,5倍くらいかたく、軽く磨くと良く ヨゴレが落ちる。それと歯ブラシの持ちがよいのだ。売れなくなったので…
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抽象と遠雷

うつぶせは馬の背に浮く春の雷 玄海町浜野浦棚田夕景図 写真編集時、ヒストグラムを誤って動かしてしまった顛末。 浜野浦の棚田夕景図
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海風と田起し

うぐひすのこゑのさはりし寝顔かな   日野草城   近くの島嶼部へ桜見物を兼ねて出かけてみたのだが、このところの 桜冷えのためか、桜の開花は遅々としているようだ。しかし今日の気温 は20℃超えているようで、車の窓を閉め切っていると暑くてしょうがない。   丘に立つと海風が心地よい。眼下では田起しのトラクターがのんびり…
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白木蓮と飛行機雲

昨日の少年老ひし白木蓮  また今年も有田町岳の白木蓮は咲いた。この木蓮は双樹で、二本の木 が恰も一つの木の様な姿をしている。そのため木のふくらみが見事で、花 の密度も申し分なく、この花を眺めることは、私の晩春の行事となってしま っている。  見上げると木蓮の傍らを飛行機雲が通り過ぎてゆく。終了して一年半ほ ど経ってし…
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諸葛菜

諸葛菜鷹女の仮面剥がしけり  春に咲く紫のビロードの様な肌触りの花は諸葛菜、その格調高い 名に相応しく、まだ肌寒い日陰に凛々しく咲く姿は美しい。  三国時代、諸葛孔明がその栽培を奨励したことによる花の名の 由来らしいが、その格調と庶民性の撞着によるのか中々名句に出 会わない。  昭和期に三橋鷹女という前衛的な…
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梅と青鮫

梅咲いて庭中に青鮫が来ている  金子兜太  梅の花はこの時期としては遅きに失した感があるが、十日ほど前 近くの島に行くと、山影に梅の花が咲いていた。辺りは一面の青空 と海である。そこで金子兜太の上記の句を思い出したのだが、兜太 によれば朝の梅が咲く庭は青くあり、そこに鮫が泳いでるというのだ。 写生より抽象へ、長閑な春の…
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春寒の黄昏

春寒く思春期てふ日暮れかな  釣瓶落としの秋の暮ではないが、2月から3月にかけての日暮れは 午後6時を過ぎると日は一気に暮れてゆく。それに伴い気温も一気に 下がる。高校生達が帰路を急ぐ。そんな時思春期の儚さを垣間見る のだが、この時期の高校生はこれからの進路や受験のことなど背中 に背負う荷物が段々重くなってゆく。 …
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春まだ浅き

 裏日本はまだ雪が降っているようだ。九州北部は雪もやみ晴れが 続いているが、朝晩は寒い。節約しているわけではないのだが、日 が照ってくるとついストーブの火を止めてしまう。しかし家の柱は冷え たままであり、ジッとしていると肌寒い。  こんな時は車で春の光を求めて走るに限るようだ。外に出て体を動 かしていると春を実感するのである。…
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春の雪

淡雪や空はうす眼をしてゐたる 野澤節子  立春も過ぎたが、山陰、北陸には大雪の予報がだされている。 わが安住の地である日本の最西端にも2017年初めて雪が降った 。しかしわが町より北に10Km離れた隣町では雪は降っていなか った。そこから町の西部にある山の棚田を見に行くと、そこは雪国 であった。10Cm以上はあ…
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小ガモのさきはひ

下萌の皮下は泥土かバラードか   このところ寒さが緩み、早春の息吹を感じに伊万里周辺へ出かけた。 太陽は雲に隠れ、時々冬の気配が顔をだす。今年も九州にも雪は降った のだが、私の住んでいる地域には雪は降らなかった。   県道321号線沿いの棚田は下萌が始まり、冬の茶系より萌黄色に変化 し始め、平野部の麦畑では麦踏…
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思い出のたね

寒夜覚めブルームーンより青き月  正月も過ぎ、暖冬傾向だが冬が続いている。ここ数年冷え性に なってから若干冬期鬱病気味である。  私は村上春樹より4歳下であるが、高校時代は洋楽ロック、大学 ではJAZZにはまっていた。40数年前は日本の音楽界はまだ萌 芽期で、ビートルズの人気が出始め当時は洋楽が幅を利かせて いた…
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春の海

春の海ひねもすのたりのたりかな  与謝蕪村  皆様 謹んで新年のお慶びを申し上げます。2017年九州の 正月は暖かく風もなく過ごしやすかった。  そんな日和に春の海を眺めるのは気持ちがいい。東シナ海 の外海は喧しいが、九州の内海はあくまでも長閑である。 春の海
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冬の黄葉

木洩日の薄きは淋し冬黄葉  高木晴子  12月も数え日の午後、年用意のために買い物にでかけた。 車を走らせていると山に黄葉した木々が幾分目立つ。九州の 山は全体的に常緑樹が多いが、この押しつまった時期に黄色 く色を変えた木々に気づくことはなかった。冬に枯木山になる ことはないが、11月には紅葉もある。季節外れの黄葉…
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