忘却と銀杏落葉

忘却を一切 銀杏落葉ふる  人間、一生のうちで、そう尊敬できる人にめぐりあえるものではない。 好きな人や、友達に類するものは、折々に出会えるのであるが、生き 方に厳しさは生まれない。十代の頃は特に、長男でもあるせいか、ど うでもいいことに心血をそそぐきらいがあった。  私の場合二十代は、いいめぐり逢いに遭遇することはあ…
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イエローの写生句

人の背は瀬音に黙し黄せきれい                     鈴木修一 海程同人 黄鶺鴒 ※写真はWEBの黄鶺鴒の写真より拝借しました。  俳句を嗜む者にとって、自分好みの句に出会うことは嬉しい ものである。上記の句「人の背は瀬音に黙し黄せきれい」も その中の一つで、せせらぎに佇む人と…
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冬のひまわり

逃水のくるぶし見えている異郷  月野ぽぽな 海程  2017年、63回角川俳句賞は、月野ポポナさんに決まった。ただ賞を取っ た50句は、今まで私がイメージしていたポポナさんの俳句とは趣が違うよ うな気がした。  ニューヨーク在住と聞くが、WEBで所属する海程の「金子兜太選秀句鑑 賞」でポポナさんの抽…
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暗喩の時間

小春日の薄目の中の第二楽章  金曜の夜のNHKのドラマが、意外に見応えがあった。主に大学教師の数学者 (竹之内豊)と朗読の会講師(麻生久美子)の話なのだが、脚本、ドラマ演出、出 演者はどれをとっても良く考え抜かれていていた。ドラマの途中で詩が随所に挿 入されるが、詩の解釈には学習と想像力がある程度要求される。故にこの…
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雄山羊との交歓

さみしさは稲架のほどけし初しぐれ  近くにある唐津市相知町の冬の蕨野棚田を撮影に週に三日 ほど撮影に出かけた。棚田に対する斜光の加減がよく分から ないので、複数回行ってみたのだが、私が気に入っているい つもの撮影場所の傍には、雄の山羊が1頭囲いの中に飼って あった。  雄の山羊はかなり態度が好戦的であり、撮影して…
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初冬の紅葉

九十九の物差一縷の寒の雨  九州でも公園、寺社などの名所へ行けば人為による楓などの紅葉は、 あちこちで見ることができるが、身近な低山などの天然の紅葉ともなる と、常緑樹が多い為か紅葉した木々を見ることはそうあるものではない 。近所の林道を散策してみたが、目に映るものは木漏れ日に紅く染ま る櫨の木の小さな小枝くらいで…
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喜劇役者のスマイル

草にあき水にあきしが秋惜しむ 10月も中旬を過ぎると、全国の稲刈りも終わりを告げる。10月は通常 晴天の日が多いとしたものだが、今年の秋は秋雨前線が停滞し北の寒 気団が吹き込み、例年になくうすら寒い日々が続く。  冬の訪れが苦手になってきた私とすれば、過行く秋が、虚ろな喜劇役 者のスマイルの様に感じてしまう…
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青き船旅

阪神の遠井吾郎は夏の雲  暦の上では初秋とはいえ、東シナ海をてらす太陽は衰えを知らない。 平戸港より十数キロ、小一時間の的山大島へのフェリーの旅をした。 フェリーの入り口は1か所しかなく、バックでの車の進入となった。  離島へのフェリーは排水量が小さいので、始発や最終便の予約はす ぐに満杯になってしまうが、これは仕…
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八月の早稲田

こころざし問われ少年黙す夏  夏の高校野球佐賀県大会で、早稲田佐賀高校が優勝し、代表校に決 まった。レギュラー選手県内出身の部員は、一人という。ほとんどが県 外出身者である。それでも唐津の地に学ぶ者として、全国大会において 戦うことを誓い合ったという。  数日で夏の甲子園大会である。そんな唐津の地に収穫前の早稲田が…
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海紅豆の花 

国を出て傷を負ひしが海紅豆  海紅豆(かいこうず)は別名アメリカ梯梧(でいご)というらしいが、 真言宗の寺に咲いていた。この花は派手なようでいて、内に秘めた ような落ち着いた側面もあり、見飽きない花である。   海紅豆の花 海紅豆の花
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惜春のエイリアンズ

惜春の情も剰して初夏の街  以前ジャズやクラシックばかり聞いていた身としては、YouTubeで Jポップの佳曲を探すのは初老の秘かな楽しみでもある。  キリンジのエイリアンズは、そんな曲である。最初一聴したときには、 少し気は引いたが足を止めることはなかった。しかし「公団の屋根の 上 」という歌詞がいつまでも耳に残った…
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逝く春の落暉

落日のふと寒木瓜の朱を点ず  加藤楸邨  松浦市福島町土谷の棚田へ夕景を眺めに訪れた。細くて薄い雲が 水平線のすぐ上に靡いている。30分程の日没の変化は、短編映画 を見ているようだ。水平線の裏側には、着実に初夏が隠れている。 逝く春の落暉
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歯ブラシがない

歯ブラシがないふらここ垂れている故郷  長年愛用しているサンスターラーク歯ブラシが近くのドラッグストアに置 かれなくなった。あちこち捜したが見つからない。サンスターラーク歯ブラ シは、ライオンビトウィーンのかための1,5倍くらいかたく、軽く磨くと良く ヨゴレが落ちる。それと歯ブラシの持ちがよいのだ。売れなくなったので…
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抽象と遠雷

うつぶせは馬の背に浮く春の雷 玄海町浜野浦棚田夕景図 写真編集時、ヒストグラムを誤って動かしてしまった顛末。 浜野浦の棚田夕景図
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海風と田起し

うぐひすのこゑのさはりし寝顔かな   日野草城   近くの島嶼部へ桜見物を兼ねて出かけてみたのだが、このところの 桜冷えのためか、桜の開花は遅々としているようだ。しかし今日の気温 は20℃超えているようで、車の窓を閉め切っていると暑くてしょうがない。   丘に立つと海風が心地よい。眼下では田起しのトラクターがのんびり…
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白木蓮と飛行機雲

昨日の少年老ひし白木蓮  また今年も有田町岳の白木蓮は咲いた。この木蓮は双樹で、二本の木 が恰も一つの木の様な姿をしている。そのため木のふくらみが見事で、花 の密度も申し分なく、この花を眺めることは、私の晩春の行事となってしま っている。  見上げると木蓮の傍らを飛行機雲が通り過ぎてゆく。終了して一年半ほ ど経ってし…
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諸葛菜

諸葛菜鷹女の仮面剥がしけり  春に咲く紫のビロードの様な肌触りの花は諸葛菜、その格調高い 名に相応しく、まだ肌寒い日陰に凛々しく咲く姿は美しい。  三国時代、諸葛孔明がその栽培を奨励したことによる花の名の 由来らしいが、その格調と庶民性の撞着によるのか中々名句に出 会わない。  昭和期に三橋鷹女という前衛的な…
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梅と青鮫

梅咲いて庭中に青鮫が来ている  金子兜太  梅の花はこの時期としては遅きに失した感があるが、十日ほど前 近くの島に行くと、山影に梅の花が咲いていた。辺りは一面の青空 と海である。そこで金子兜太の上記の句を思い出したのだが、兜太 によれば朝の梅が咲く庭は青くあり、そこに鮫が泳いでるというのだ。 写生より抽象へ、長閑な春の…
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春寒の黄昏

春寒く思春期てふ日暮れかな  釣瓶落としの秋の暮ではないが、2月から3月にかけての日暮れは 午後6時を過ぎると日は一気に暮れてゆく。それに伴い気温も一気に 下がる。高校生達が帰路を急ぐ。そんな時思春期の儚さを垣間見る のだが、この時期の高校生はこれからの進路や受験のことなど背中 に背負う荷物が段々重くなってゆく。 …
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