天涯の実

天涯に蔵青くあれ樗の実  2016年はあと三日となった。比較的暖冬傾向の冬で過ごしやすいようだ。 今年は佐渡や東北に棚田の撮影に行ったこともあり、棚田のブログの作成 にいそがしく、「眺めのいい部屋」のブログは何かと空白期間が多かった。  60歳を過ぎて徐々に気になっていることだが、物事に対する感動のレベル が下がっ…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

初冬の雲の影

他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆふぐれの水  葛原妙子  薄明光線は、太陽が雲に隠れ、雲の切れ間より光が漏れ、光線が 放射状に地上へ降りそそぐ現象の俗称であり、天使の梯子の別名も ある。天使の梯子という名は、旧約聖書に由来する。それはヤコブが 夢の中で、雲の切れ間に差す光に天使が上り下りしている光景を見 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

冬の青空

冬空の青盗みたる鉢ひとつ  わが町の広報誌に茨城県下館生まれの陶芸家板谷波山の記事が 目にとまった。(陶磁器繫がりによる記事)波山は、正規の美術教育 を受けた陶芸家としては、先駆者である。陶芸家の社会的地位を高 め、日本近代陶芸の発達に寄与した評価は高い。   波山の作品をNETで鑑賞するうち…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

にびいろの海

古釘も愁思のひとつ曇り雨 「難破の愉しさ」 ジョゼッペ・ウンガレッティ 1888-1970 すぐ また 旅に出る 難破に 生きのこった 老水夫 のように 鈍色の海 月の道
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

朝の霧

草に飽き山の写実の朝の霧 山羊     「家と田園より」   ウンベルト・サバ 1883-1957 おれは 山羊に話しかけた。 たった 一匹 草地につながれていた。 草に飽き 雨に濡れて 啼いていた。 そ啼き声は おれの悲しみにとって 兄弟みたいに懐かしかった。 そこで おれは答えてやった。  初めは 冗談半…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

旅の終わり

晩秋の旅の終はりと思いしや 毎年5月より10月にかけて、棚田の撮影にあちこち出かけているが、 日本の稲刈りも10月にはほとんど終わりになる。遠出するには1週間 ほど晴れの日が続くjことが期待されるが、今年はほんとうに晴れの日が 続くことが少なかった。猛暑の8月の後、9月は雨と曇りの日が続いた。  10月…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

葡萄麺麭

穿りてレーズンばかり食ふ孫のかたへに貰ふ穴だらけのパン 西尾憲治「情脈」 10月に入ってまたも颱風が来ている。 気温31度。 ぶだうぱんが食いたくなった秋の暮。 本と葡萄パン
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

彼岸花

だしぬけに咲かねばならぬ曼珠沙華 後藤夜半  今彼岸花の盛りである。今年は秋雨前線の停滞で雨の日が 長かった。1週間は生育が遅れたようである。九州北部は特に 彼岸花が田の畔にあちこちで咲いている。見事に咲き誇る彼 岸花といえもど、そこには人の手が入っている場合が多い。九 月になれば、農家は彼岸花のために草刈を…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

モラトリアムと林檎の風景

林檎食むモラトリアムとしての空  エッセイで誰かが、蕎麦屋で蕎麦を食う行為は自分のとって一種のモラ トリアムであると書いている人がいた。世間と日常の時間より解放されて、 自由で束縛のないひと時を一人愉しもうとでもいうことであろうか。  本来モラトリアムとは、金融の支払猶予や法律施行の一時停止という意 味だったのが、…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

佐渡の海

荒海や佐渡によこたふ天の川   芭蕉  佐渡島へ行ってきた。新潟港より大型フェリーで3時間、佐渡は大きな島 であった。島一面黄色く色づいた稲田が広がっており、冬厳しい島は収穫 まで後ひと月その華やぎは続く。二日かけて島を一周(250Km)した。天 領であり、金山で栄えた名残りか、島のあちこちに積み重なってきた歴史 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

終戦日

日暮のはたと聞こへぬ終戦日  蜩の啼く声により、眠りより覚めていた八月の数日であったが、 いつの頃からだろうか蜩の啼く声がはたと聞えなくなった。オリ ンピックという喧噪の中、八月十五日がいつもの様に廊下の奥 に佇っていた。一雨欲しい今日この頃である。
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

波の盆

見わたせば何事もなき波の盆  もう2週間以上も真夏日が続いている。佐賀より長崎県にかけての 北西部の海辺は早稲田が多い。唐津市肥前町周辺へ出かけてみた。 今年は梅雨明け後快晴が続き、台風もまだ九州へは近づいていない。 聞けば田の主は、「今年は収穫まで何事もなく、稲刈りで盆休みがなく なったよ」と言っていた。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

脛(すね)に吹く風

吹く風に飼ひ慣ならされて夏の空  今回から新たに加わった、18、19歳の投票権は興味深いものだ った。18歳及び19歳の合計では、男性43.43%、女性47.58%、全体 45.45%と、それぞれ投票者全体の投票率54,7を下回った。  共同通信社が実施した10日投開票の参院選の出口調査によると、 選挙権年齢の…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

鉄棒の歌

鉄棒に一回転の景色あり身体は影と切り離されて 虐げる人が居る家ならいっそ草原へ行こうキリンの背に乗り                         歌集「キリンの子」より  これは現代のお伽話であろうか。歌人鳥居(わけあって本名は公開してい ないらしい)は、小学校5年の時、離婚した母の自死に会い天涯孤独となる…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

若葉闇の寺

しめりけの三途の川も夏の月  まだ梅雨明けの知らせはないが、今年の九州の梅雨は雨に悩まされ た。累計で数千ミリの降雨量だそうな。小さい土砂崩れは数多くあった ようだが、致命的なものからは、何とか逃れることができたようだ。今九 州は水に浮いている浮島のようなものだろう。この時期何かしらの地の 揺れは起こって欲しくない…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

青田波

青田波行くは遊行か笠一つ  平田君代 上記の句は松尾芭蕉、奥の細道の「田一枚植ゑて立ち去る柳かな 」を 下敷きにした句であろうが。海より吹き上がってくる青田風は湿度のため かやや重いが、束の間の梅雨の晴間、心地よいものである。 青空と青田と風車   青空と青田と風車
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

答えのない質問

答へなき質問すれど青田道  米国人作曲家チャールズ・アイブスに「答えのない質問」という曲がある。 弦楽の和声の上に管楽器群による質問と答えが取り止めなく錯綜する。  新聞の購読を止めて、今はもっぱらNETニュースに頼っている。(止めた 理由は新聞をゴミとして出すことが億劫になったからである。)私も人生の 最終コ…
トラックバック:0
コメント:3

続きを読むread more

窓際の緑陰

純情小曲集 萩原朔太郎  靜物 靜物のこころは怒り そのうはべは哀しむ この器物(うつは)の白き瞳(め)にうつる 窓ぎはのみどりはつめたし。 窓際の緑陰
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more